より詳しい解説
ダイアルアップ接続の概要

 ダイアルアップ接続は一般加入電話やISDN回線を利用してインターネットサービスプロバイダー(ISP)にダイアルすることでインターネットに接続する方法です。
ダイアルアップ概要図
 つまり、ダイアルアップ接続をするためには、以下の機能をもった機器や環境を用意する必要があります。

  1. 電話回線: 一般加入電話回線(アナログ回線) / ISDN回線(ディジタル回線)
  2. 回線接続機器: モデム(アナログ) / ターミナルアダプタ(TA: ディジタル)
  3. コンピュータなど: TCP/IP, PPP接続をサポートしたコンピュータなど

電話回線の種類について

・ ご利用いただける回線の種類
- アナログ回線(トーン/パルス), ISDN(同期64kb/s), PIAFS(64kb/s, 64kb/s) -


[ご利用いただける回線の種類]
 インフォニアのダイアルアップ接続では、以下の回線による接続をご利用頂けます。

  • 一般加入電話回線や携帯電話による通信(アナログ回線による接続)
  • ISDN回線(NTTやCTCNなどが提供するデジタル回線による接続)
  • PIAFS(PHSの32,64kb/sデータ通信機能による接続)(注1)
 接続機器の種類はサーバー側が自動的に判別しますので、どの手段でダイアルアップ接続される時でも、同じアクセスポイントにダイアルしていただければ接続できます。

注1. ご利用頂けるアクセスポイントが限定されています。詳しくはアクセスポイント一覧をご覧ください。


電話回線接続機器

・ 回線に合わせた回線接続機器を用意しましょう
・ 回線速度?端末速度?
・ 回線接続機器に接続するコンピュータの性能を確認しましょう
・ 回線接続機器とコンピュータの間の接続は確実に


[回線に合わせた接続機器]
 電話回線にコンピュータなどを接続して通信を行う際には、アナログ回線(一般加入電話回線)ではモデム、ディジタル回線(ISDN回線)ではターミナルアダプタ(TA)が必要になります。最近ではモデムやTAはコンピュータに内蔵されていることも多いため、新規にメーカー製のコンピュータを購入した場合には特に意識なさらずにお使いになっているかもしれません。
 また、外出先などからPHSで通信を行う際にはPIAFSに対応した装置をご用意頂く必要があります。
通信速度の説明

[回線速度?端末速度?]
 モデムやTAなど回線接続機器の箱書きにある56kbpsや64kbpsという通信速度は、上図での「回線速度(DCE速度とも呼ばれます)」に当る部分の速度を示しています。ISDNの同期64kb/s接続の時にはこの回線速度が変化することはありませんが、アナログモデムの場合は通信回線の状態や品質によって実際に接続される速度が遅くなる事があります。
 この回線接続機器の電話回線側に起こった通信エラーは自動的に修復されるため、通常特に設定を変える必要はありません。ただし、回線品質が極めて悪い場合や、エラー訂正の限界を超えてエラーが頻発するような場合には、突然回線が切断されるなどの障害の原因となります。二又(ブランチ)器具や延長コードなどを使用している時には特に注意が必要です。電話コードを短くしたり、切替器・分配器を取り外しても改善されない場合には、回線速度を下げる必要があります。

 また、コンピュータと回線接続機器との間の通信速度は端末速度(DTE(注2)速度とも呼びます)と呼ばれ、一般的には電話回線側より2倍近い速度を指定した方が回線接続機器の能力を最大限利用できるようになります。電話回線側は通常データの圧縮が行われており、テキストデータなど圧縮の効果が高く現れるデータが流れる際には、コンピュータ・回線接続機器間に流れるデータは2倍近い速度になるためです。

[回線接続機器に接続するコンピュータの性能]
 端末速度の上限はコンピュータの性能に左右されます。端末速度回線速度に対して速い方がよいのですが、数年前のコンピュータでは利用できる端末速度が 19,200bps程度で上限になってしまう機種がありました。このような機種では仮に 57,600bpsに設定できたとしても、接続が不安定になりがちです。実際にご利用いただける端末速度についてはコンピュータに付属のマニュアル等をご確認下さい。

[回線接続機器とコンピュータの間の接続]
 コンピュータと回線接続機器の間の接続状態も重要です。回線接続機器が内蔵の場合には問題はありませんが、ケーブルで外付けしている場合にはケーブルのコネクタにあるネジをしっかり締めておいて下さい。コンピュータと回線接続機器の間のデータはエラー訂正がされません(注4)ので、もしこの間で通信エラーが生じた場合はプロバイダへの接続にそのまま影響します。この部分が不安定ですと、接続はできてもWebページを開いたりE-mailを読んだりする時にデータの流れが止まったり、突然回線が切断されるなどの障害の原因となります。ケーブルを交換したり、コネクタをしっかり締めても改善されない場合には、端末速度を下げる必要があります。

注2 DTE: Data Terminal Equipment(データ端末装置), データ通信網に接続された装置のことで、ダイアルアップ接続の場合、モデム(DCE)(注3)を介して電話回線に繋がっているコンピュータのをさします。
注3 DCE: Data Circuit terminating Equipment(データ回線終端装置), データ通信網に接続して、DTE装置とデータ通信網の間のデータ形式の交換を相互に行う装置のことで、ダイアルアップ接続の場合、モデムやTAのことをさします。
注4 ここでいう「エラー訂正がされない」とはRS232Cによる通信が調歩同期(いわゆる無手順)であり、このレイヤーでエラー訂正を実装していないことをさしています。実際にはPPPによってほとんどのエラー訂正を実現しており、さらに上位のレイヤーによってアプリケーションが要求する通信の信頼性を確保しています。

接続に使用するコンピュータなど

・ TCP/IPとPPPを話せる機器を用意しましょう


[TCP/IPとPPPをサポートした機器]
 インフォニアのダイアルアップ接続サービスではTCP/IP(注5)とPPP(注6)をサポートしている機器が必要になります。最近発売されているコンピュータでインターネットが利用できると書いてあるものは、ほとんどTCP/IPとPPPをサポートしています。

注5. TCP/IPはインターネット上の異なった複数の機械が通信を行う場合に、お互いが共通の言葉で会話ができれば機種毎に独自のデータ相互変換を行わなくてもよくなる、という目的で決められた手順です。
注6. PPPは Point to Point Protocolの略語で「点から点」つまり一台の接続機器から一台の接続機器の間にデータを流す手順です。TCP/IPを話せる機器があっても、どこのネットワークにも繋がっていなければ当然ですが通信はできません。そこでプロバイダーのダイアルアップ接続サーバーにこのPPPという手順で接続して、TCP/IPの形式で話す内容をやり取りすることによって、インターネットを利用します。